やぶからスティックに申し訳ないが、女性を誘うなら肉がいい。ちょっと豪華な感じのする焼肉ならなおさらだ。
一人で行くという女性は珍しいし、女性同士ならばもう少しリーズナブルなところを選ぶはずだ。男がおごるにしても、多めに支払うにしても、スムーズなやりとりをしやすいのが焼肉や鉄板焼きではないだろうか。
今宵の会合は、浅草の「肉のすずき」。精肉店が経営する焼き肉屋で、店の扉が大型冷蔵庫、よい目印だ。ここはうまい、見るからにうまい店だ。
オーソドックスにタンやミノから進めていく。ご覧の通りの肉厚、食感以上に旨味を伴う肉である。
肉屋の店だが、箸休めも気を抜いていない。
さて、炎と酒でほほを染めすぎる前に、和牛を楽しむとしようじゃないか。
抱きしめたい気持ちをぐっとこらえ、優しく肉を迎え入れる。ハピネス、説明不要のワンダーランド。ワサビを添えれば、さらに肉を引き立てる。昨日までのゴッサムシティも途端にパラダイスに変わる。
激しく燃える肉の夜には、気持ちを落ち着けるチルアウト音楽が必要だ。ズルズルと耳に響くよ、さっぱりの鐘が。
これで満足しないわけがない。誰かを喜ばせたいと思ったら足を運んでみるといい。