食べたい。無性に食べたい。夜中にチャーハン無性に食べたい。
立ち上るネギとチャーシューと米の入り交じった香り。奥の方に感じるコショウがそれらを引き立てる。
レンゲでひとすくいすれば、砂の城が崩れるかのように、もろく米の丘が侵食されていく。ホロリと崩れるいいチャーハンだ。
レンゲから口へ。香りはのどを通って鼻に抜ける。焼けたネギのそそる香りだ。
適度に効いた塩気と油を吸ったいり玉子。チャーシューの甘くコクのある煮汁が次のレンゲを欲するが、ここは少しガマン。噛み締めて米の甘味も感じたい。
はふっはふっと漏れる吐息。
次から次へとレンゲを口へ持っていく。掻き込まずにはいられない。あわててノドをつまらせないよう、スープでカラダを落ち着ける。
うまい、うまいなぁ、チャーハンてうまいなぁ。
と、いうようなチャーハンをひるむことなく真夜中に食べたいんだ。食べたいんだよなぁ。