クリエイティビティをベースに、メディアとビジネスのあり方を再構築したい。
メディアは今、あやういところに立っている。新聞やテレビといったレガシーメディアから、ネットメディアが台頭し、個人やチームが自身や組織がメディア化していることを意識せずに発信するのが当たり前の時代にまでなった。
メディアの存在が相対的に薄まって、かつての権威的な立場を失ったが、しかしメディアの機能は広く大衆化した。
レガシーメディアの時代は、国や会社などの大きな組織に対し、メディアが権力を監視し、市井の声をすくい上げる役目を果たした。情報を得る手段が限られていた時代は、情報の流通網が限られていた時代とも言える。
インターネットによって、情報の流通網が一気に広がった。多くの出版社が既存の出版網に加えて、ネットに参入した。
ブログの登場によって、参入障壁とも言えた配信システムの調達が楽になった。個人のブログも増えたが、ブログを活用した出版社をバックボーンに持たないブログメディアが一気に増えることになった。その後のSNSの台頭、通信がリッチになったことで動画が大衆化したのは記憶に新しいところだ。
20年以上メディアに関わってきて思うのは、クリエイティブ側にいた人員はどこかでビジネス側に軸を移すのか、それともこのままクリエイティブの専門家になるのか選択をせまられるということだ。
でも、そうなんだろうか?
ビジネス部門は売上げ、ひいては利益を上げることを目標に据える。メディアが強かった時代は、儲けを考えずにひたすらジャーナリズムしていられた。そこには、考えずにいても儲けられるビジネスモデルがあったからだ。
今はそういう状況にないため、多くのメディアがゆらいでいる。かつてのようにメディアとメディアビジネスを分けるのは難しいのではないか。
ただし、メディアがビジネスにすり寄って独立独歩の精神を保てなくなるなら、それも違う気もする。個々のメディアの目的に従ってコンテンツを届け、その歩む課程において売上げが上がっていく。そんな夢みたいなことはできないのだろうか。
冒頭のクリエイティビティをベースに、メディアとビジネスのあり方を再構築したい。は、そこにつながる。
なんとなく、そんな目標でやってみようかな、と思っている。