ダムド(仮) 02

ジョナサンとの出逢い 「アサマ、高等教育はどうするつもりだ?」  奉仕労働に入ってしばらく経ったころ、労働監督官に聞かれた。作業は毎日ヘトヘトだったが、いくらかそれにも慣れてきた頃だ。  労働監督官の…

ダムド 02

ジョナサンとの出逢い 「アサマ、高等教育はどうするつもりだ?」  奉仕労働に入ってしばらく経ったころ、労働監督官に聞かれた。作業は毎日ヘトヘトだったが、いくらかそれにも慣れてきた頃だ。  労働監督官の…

ダムド (仮) 01

地獄に堕ちた野郎ども  本当はどこでもよかった。たまたま就職先が「お国」だったもんだから、安定収入の官僚殿なんて冷やかされるが、この国の就業労働人口の約半分は国の関連機関で働いているんだ。とくにほめら…

ダムド 01

地獄に堕ちた野郎ども  本当はどこでもよかった。たまたま就職先が「お国」だったもんだから、安定収入の官僚殿なんて冷やかされるが、この国の就業労働人口の約半分は国の関連機関で働いているんだ。とくにほめら…

カレーライス(仮)03

 正直、あまり悩んだことがない。子どもの頃から大きな夢を見たこともなくて、どちらかと言えばノンビリ屋と言われることが多い。気心の知れた友達からは「ノンビリ」ではなく、ボンヤリと言われたし、学生時代の先…

カレーライス(仮)03

 正直、あまり悩んだことがない。子どもの頃から大きな夢を見たこともなくて、どちらかと言えばノンビリ屋と言われることが多い。気心の知れた友達からは「ノンビリ」ではなく、ボンヤリと言われたし、学生時代の先…

カレーライス(仮)02

 テレビの天気予報が夕方から雨になると言っていた。雨になるのはいいが、夕方からの雨に備え、日中ずっと傘を持ち歩くべきなんだろうか。アイスコーヒーの氷が音を立てストローをゆらした。  鈴木祐二はグラスを…

カレーライス(仮)02

 テレビの天気予報が夕方から雨になると言っていた。雨になるのはいいが、夕方からの雨に備え、日中ずっと傘を持ち歩くべきなんだろうか。アイスコーヒーの氷が音を立てストローをゆらした。  鈴木祐二はグラスを…

カレーライス (仮)01

「ねぇ、これぐらい?」「どれ? あ、そんなもんでいい。もっとデカい方がいいか?」「どうだろ? ま、いいんじゃない」  松男は「まかせる」とだけ言うと、再び玉ねぎのみじん切りに取りかかった。キッチンから…