明快に「失われた30年」を解説している本。こういう低成長・低インフレ・低金利なことJapanification(ジャパニフィケーション)というらしい。海外の人がこういう状態を「日本化」と呼んでいるという現実。日本のような状態に陥ってしまった場合、普通はデフォルトになるからだ。
ただ、日本はデフォルトにならない不思議な国。デフレ脱却のための物価上昇の中、残念ながら政府は国防のための増税を口にしてしまった。日本はこういうことを繰り返してきてしまっている。
本書では、国の借金を多いと見るより、国内資産全体に目を向けて俯瞰する。日本がギリシャのようなことにはならないと解説している。1200兆円とも言われる政府の借金も、資産全体をみれば、ということだ。
経済のMMT理論というものでは、国内でお金を発行している国はデフォルトにならないとされている。難しいことはわからないが、いろいろな見方があるということを知っておけてよかった。