元首相暗殺の結果、我々は犯人が願った世界の住人になってやしないか

頭の中がうまく整理できないでいるので、違和感を言葉にしておこうと思います。結論があるような話ではありません。

概況

元首相の暗殺事件の詳細を記事などで追いかけていて、あるところからどうやら犯人の暗殺の動機が統一教会にあるということになりました。今や政治と宗教、とりわけカルトとの関係性に大きなスポットライトが当たっています。

政治家がどのように宗教を利用しているのか。カルト宗教がどう暮らしにとけこみ、入信者の家族や親族に影響を与えているのか。個別の政治家と宗教の話が毎日のように、メディアを踊っています。

違和感

そのことに、心のどこかで違和感を感じ続けています。それは、

これこそ犯人が願った世界なのではないだろうか。

と、思うからです。

許されぬテロ行為の結果、現在メディアに掲載されている記事の数々。これは犯人が望んだ方向へと私たちが吸い寄せられた結果ではないでしょうか。

犯人は元首相憎しというより、統一教会に強い憎しみを感じていました。少なくとも、そう報じられています。元首相を殺めたのは、憎い統一教会と関係を持っていたからで、間接的な恨みに近いもののようです。

なんともやるせない気持ちになりますが、我々の今の流れは、恨みを募らせ犯行に及んだ人間の願う状況になっています。

それはつまり、今後似たような恨みや、世の中の変化をのぞんだ人間が現れた場合に、暗殺が有効な手段であると証明してみせたようなものでもあります。

アップデート

とても複雑な気持ちで、メディアをみている自分がいます。宗教によって家庭が崩壊し、それによって社会に恨みを抱き犯行に及んだ「無敵の人」。時折現れるそうした犯人が無敵化するまえに、救済する手段はあるのでしょうか。

また、起こってしまったことを報じる中で、結果的に犯人が望むような形になっている今、私たちはそれにどう向き合えばいいのでしょうか。アップデートせねばならないのはわかるのに、アップデートの仕方がよくわからず、とてもモヤモヤしています。

会社員。学生時代にソフトバンク(現ガンホー)で働きはじめ、情報処理や商品撮影・バイヤーを経験。卒業後にインプレスに入社し記者・編集者・デスクなど11年。外資メディアのAOLオンラインに転じ、シニアエディターとしてEngadgetに参加。メディアのリテンション施策、イベントディレクション、動画事業立ち上げ担当など5年。動画スタートアップに転じ、動画メディア bouncyに参加。事業責任者 兼 副編集長としてbouncyを朝日新聞社に事業譲渡。2019年7月、朝日新聞社にてbouncy編集長