映画『大怪獣のあとしまつ』を観た。

ゴジラっぽい何かなのかな？と予備知識無しで観たら、コメディでびっくり。でも、すごく楽しめた。

このヒザがかくっとズッコケる感じ、既視感あるなと思って、ラストのクレジットで三木聡監督とわかり全部納得した。テレビドラマだと『時効警察』『熱海の捜査官』、映画だと『インスタント沼』『亀は意外と速く泳ぐ』の人。脱力不条理コメディやらせたら、かなりオリジナルな人だ。

本作では、主演の山田涼介さんがちょっと残念だったかも。イケメンでスラップスティックなコメディだったらそつなくこなせそうに見えた。けど三木聡監督の主演は、ミステリアスか天然じゃないとハマらない気がする。山田さんはイケメンがオーバースペックすぎる感じ。

ヒロインの土屋太鳳さんは、まっすぐひたむきをギャグにもできる感じなんだな、と思った。もう少し年齢を重ねると幅のある女優さんになりそう。

脇を固める俳優陣は、この手のことをやらせたら敵なしな面々。逆にこの面々でこのノリが楽しめない人は、この映画ずっとつまらない気がする。
あとクレジットに名前がないけど、たぶんセトウツミで怪演してた片山友希さんが出ていた。なんか嬉しい！

三木聡監督の作風は、話の本筋と、そこかしこに散りばめたズッコケのギャップにあると思う。プッと少し笑って、あとはジワジワ来る感覚を楽しむ、そんな笑いを作るのがうまい。客を選ぶ感じはするけど、今回も沼のような味わいがあった。