毛ガニくんと部長

20年前、働いていた会社で学生だった自分を採用してくれた人がいる。その人は部長で、若いヤツらの方がネットの世界をわかっているとよく言っている人だった。 その部長に自分は「毛ガニくん」と呼ばれていた。腕…

我がパソコン人生

メディアに片足を突っ込んで2019年で20年になる。2002年に出版社に入社したところから計算するともう少しあるが、振り出しは1999年にスタートした。 今回とあるきっかけがあり、パソコンについて振り…

ダムド(仮) 02

ジョナサンとの出逢い 「アサマ、高等教育はどうするつもりだ?」  奉仕労働に入ってしばらく経ったころ、労働監督官に聞かれた。作業は毎日ヘトヘトだったが、いくらかそれにも慣れてきた頃だ。  労働監督官の…

ダムド 02

ジョナサンとの出逢い 「アサマ、高等教育はどうするつもりだ?」  奉仕労働に入ってしばらく経ったころ、労働監督官に聞かれた。作業は毎日ヘトヘトだったが、いくらかそれにも慣れてきた頃だ。  労働監督官の…

ダムド (仮) 01

地獄に堕ちた野郎ども  本当はどこでもよかった。たまたま就職先が「お国」だったもんだから、安定収入の官僚殿なんて冷やかされるが、この国の就業労働人口の約半分は国の関連機関で働いているんだ。とくにほめら…

ダムド 01

地獄に堕ちた野郎ども  本当はどこでもよかった。たまたま就職先が「お国」だったもんだから、安定収入の官僚殿なんて冷やかされるが、この国の就業労働人口の約半分は国の関連機関で働いているんだ。とくにほめら…

編集部にはアジトがあった方がいい。

完全に思いつき。けれど、理想を想像するのは距離が遠い話であるほど楽しかったりする。こういうのはとても楽しいぞ。 イメージするもの 編集部というアジトが、喫茶店で本屋さんで床屋さん。そのうえコインランド…

自分のことは自分が一番わからない

——というタイトルだけを書いて、長いこと下書きにおいてあったのがこの投稿だ。このタイトルを下書き保存した時に一体何があったのか。今となっては思い出すきっかけさえも見当たらない。 興味がない 人によく指…

隣席でいい大人の息子と母親がもめている。

カフェの隣席でいい大人の息子と母親がもめている。すぐ隣でなくとも聞こえる大きな声だった。 横目でちらちらと確認しただけだからわからないけれど、いい大人の息子は子どもっぽい口ぶりではあるものの、たぶん3…

隣席でいい大人の息子と母親がもめている。

カフェの隣席でいい大人の息子と母親がもめている。すぐ隣でなくとも聞こえる大きな声だった。 横目でちらちらと確認しただけだからわからないけれど、いい大人の息子は子どもっぽい口ぶりではあるものの、たぶん3…

カレーライス(仮)03

 正直、あまり悩んだことがない。子どもの頃から大きな夢を見たこともなくて、どちらかと言えばノンビリ屋と言われることが多い。気心の知れた友達からは「ノンビリ」ではなく、ボンヤリと言われたし、学生時代の先…

カレーライス(仮)03

 正直、あまり悩んだことがない。子どもの頃から大きな夢を見たこともなくて、どちらかと言えばノンビリ屋と言われることが多い。気心の知れた友達からは「ノンビリ」ではなく、ボンヤリと言われたし、学生時代の先…

カレーライス(仮)02

 テレビの天気予報が夕方から雨になると言っていた。雨になるのはいいが、夕方からの雨に備え、日中ずっと傘を持ち歩くべきなんだろうか。アイスコーヒーの氷が音を立てストローをゆらした。  鈴木祐二はグラスを…

カレーライス(仮)02

 テレビの天気予報が夕方から雨になると言っていた。雨になるのはいいが、夕方からの雨に備え、日中ずっと傘を持ち歩くべきなんだろうか。アイスコーヒーの氷が音を立てストローをゆらした。  鈴木祐二はグラスを…

カレーライス (仮)01

「ねぇ、これぐらい?」「どれ? あ、そんなもんでいい。もっとデカい方がいいか?」「どうだろ? ま、いいんじゃない」  松男は「まかせる」とだけ言うと、再び玉ねぎのみじん切りに取りかかった。キッチンから…

カレーライス (仮)01

「ねぇ、これぐらい?」「どれ? あ、そんなもんでいい。もっとデカい方がいいか?」「どうだろ? ま、いいんじゃない」  松男は「まかせる」とだけ言うと、再び玉ねぎのみじん切りに取りかかった。キッチンから…