ここではInstagramの読書記録を元に、2020年後半の半年(7月~12月)に読んだ本を紹介する。後半は仕事に関係する読書が多かったように思う。
読書は苦にならないが、締切に追われるように読むのは宿題をこなしている感覚で、心に余裕がないように感じる。一方で多読環境は追い込んだ方が作りやすい。バランス取りながら、よきところを見つけていこう。
ゲコノミクス 巨大市場を開拓せよ!
面白い本だった。呑まない人の市場性について語りつつ、呑まない人の暮らしにくさについて語ってる内容。もっと呑まない選択肢の幅があったほうが楽しそうだ。
ノンアルが新たな市場となり、選択的な「呑まなイズム」がトレンドになりつつある。確かに「呑まない」方がなにやら新しい感じはする。自分は呑む人だけど、呑まなくても楽しめる焼き鳥屋はマジで欲しい。
ただ「呑まない」は文化的な感じがしないし、セクシーじゃない。この先はわからないが、まだセクシーじゃないように思う。筆者と糸井重里さんとの対談は、そのへんにも踏み込んでいてとても面白かった。
2020年6月30日にまたここで会おう
瀧本哲文さんのワクワクする講義だった。
正解なんてないから自分で考え、よりよい決断のためにとにかく学び続けよう。さ、無茶しよう!そう言ってくれる大人がいた。
講義の熱気が伝わってくるような質疑応答も面白かった。忘れた頃にもう一度読みなおそう♪
そう思ってあれから何度かパラパラと読んでいる。主に元気をもらうため。不確かなことを支えてくれる本は貴重だ。
集中力 パフォーマンスを300倍にする働き方
集中力を高め、よりよい夢中を手に入れるための参考情報が盛りだくさん。働き方改革がどうして薄ら寒いのかってのもよくわかる。
JINSの井上一鷹さんとはイベントでご一緒させていただいた。結局、Think Lab HOMEというぼっち集中作業スペースも買ってしまった。
マンガでわかる認知行動療法
精神科医の大野裕先生とオンラインイベントやる前に読んだ。認知行動療法についてなんとなくでも知っておきたかったからだ。
うつ病は自分から遠いものだと思っていたが、不安やストレス、日常的なプレッシャーを多少は感じる。心のバランスについて、自分自身で把握しておくためにもとても勉強になった。チームのみんなが悩むときのサポートにも役立ちそうだ。
うつな気持ちが軽くなる本~不安になるのは、あたりまえ
こちらも精神科医 大野裕先生の書籍。ストレスについて客観的に感じることが大切なのだ。元気をもらえた気がする。
読んだ当時は、外出もままならないコロナ禍だった。リモートワークを半強制的に強いられている時、心にはやっぱりストレスがかかっている。そんな不安についてできるだけ客観的に捉えて整えていく、そんな言葉に溢れている。
必ず食える1%の人になる方法
藤原和博さんの本はためになることもたくさんあるけど、本人が徹底してやっていることがすごくて、読むと自信を失いそうになるw
すごいんだけど「この人とは友達になれそうもないなぁ」という気持ちがどこか付きまとう。同じような感覚をキンコンの西野さんにも感じている。でも、参考にはなるのだ。実践できる人は成功者になれるんだろう。
47都道府県女ひとりで行ってみよう
益田ミリさんのクスッとさせる雰囲気が好きで何冊か読んでいる。相変わらず、独特でいい。
マイペースで、旅の時くらい人とふれあいたくないと言い切れちゃう感じとか面白い。一人旅が好きでたまに行くけど、自分もふれあいはとくに求めていないのでよくわかる。
もしかすると「旅語り」はかなり個性が見えるコンテンツなのかもしれない。わりとありかも。
ところで、表紙の寸が合わず「不良品か!」と思ったら二枚表紙がついていた。たまに見かけるこれは何なのだろか
夢中さ、きみに。
和山やまさん、平積みされていてなんとなく手にとって見た。すごく面白かった。
隙間の作り方というか、マンガ独特の音がない描写で気持ちを動かす。そんな演出でクスッとさせる。ギャグマンガというより、ユーモアという言葉がぴったりくる感じ。ほかも読んでみたい。
ショートショートショートさん 2
新しいのが出ていたので読んでみた。腐女子の生態ってか変態性ってか、こんな感じなのかな? と毎度楽しみ。何かに焦っている人のジリジリした描写がすごくうまい。
動物たち
panpanyaさん入門によいとオススメされた(本屋にそう書いてあったw)ので読んでみた。
ドキッ!とするような重たい絵をサラッと入れてくる。生き物は軽く、静物は線を重ねて重くしている。
トーンを使わないので、全体的に昭和なマンガの雰囲気が漂っている。内容はガロっぽい作家性というか、水木しげるとかつげ義春とかを思わせる、独特な雰囲気が楽しめた。
ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~
安定のビブリア古書堂シリーズ最新作。新しいのが出ていれば自動的に読むシステムw
今回は金田一耕助シリーズで知られる横溝正史をテーマに展開される。これまでやってなかったのが意外に感じた。扉子の登場によって時間の表現に幅が出てきた。安心して楽しめる。
「教える」ということ 日本を救う、[尖った人]を増やすには
たくさんのインプットから出口治明さんが導き出した言葉は、とても奥深い。自分にはとても難しいけど、とにかくインプットを続けよう。
出口さんは学びは人から、本から、旅からしか得られないという。感覚的にすごくよくわかる。
すぐに役立つ知識は、すぐに陳腐化する。おっしゃるとおりだ。ただ、ついついそれを求めてしまう。
外資系社長が出合った 不思議すぎる日本語
レノボ・ジャパンのデビット・ベネット社長による日本語の不思議について書いた本。献本いただいた。
曖昧で規則的でない日本語の面白さが綴られている。日本語ネイティブの自分でもなかなか説明できない日本語の多様さにあらためて気付かされた感じがする。
CRAZY TRIP 今を生き抜くための“最果て”世界の旅
某所のトークイベントでケロッピーさんとご一緒させていただいた。ワクワクしてスリリングな旅がつまっていた。
世界のアンダーグラウンドカルチャーに詳しいケロッピーさんは、実践型考現学のすごい人だと思う。この本で世界の広さと自分の視野の狭さを痛感した。
来場者4倍のV字回復! サンリオピューロランドの人づくり
サンリオピューロランドの仕掛け人である小巻 亜矢さんに編集部のイベントに出てもらった。イベントでお話いただいた内容もこの書籍の内容も、小巻さんの貪欲で勉強熱心なところが出ているようだった。
グイグイ引っ張っていく社長さんというより、周囲の環境を整えていくタイプの方のように感じた。この本を読んでサンリオピューロランドに行くと、見え方がすごく変わってくる気がした。
プロフェッショナル 仕事の流儀 星野佳路 リゾート再生請負人 “信じる力”が人を動かす
星野リゾートの星野代表に登壇いただいてイベントを開いた。その時のインプットで読んだ。NHKの取材を書籍にしたもので、文章にしてみるとちょっと演出過多な感じがした。
星野さんのバックボーンを知るにはちょうどよかった。
星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則
星野リゾートの星野代表に登壇いただいてイベントを開いた。その時のインプットで読んだ。
たくさんの学びがある本だった。星野さんは自身のやり方にこだわるより、長年評価される戦略やメソッドを元に戦い方を考えていく。理論を徹底することで成功の再現性を高めている。
ロジカルで効率のよいやり方をしつつ、そこで終わらず最終的には現場のスタッフがグリップしやすい形を尊重する。すごすぎる! 紹介されている本を手当たり次第読んでみよう。
3000年の叡智を学べる 戦略図鑑
イラストがふんだんに使われた戦略に関する本。軍事や経営など様々。キーワードを引っ張って、気になる書籍を探っていくにはちょうどよかった。
ラジオ・ガガガ
物語の中に現実のラジオ番組が出てくる不思議な小説。虚構を読み進めると、急に現実に引き戻される。ラジオはそれだけ現実に近いところに作用するものな気がする。とにかく不思議な感覚だった。
新装版 マンガ日本の歴史1-秦・漢帝国と邪馬台国
縁あって読んでみた。子供向けのものとは違い、内容が太くて読み応えがあった。先入観を捨てないと、こういう本の魅力にはなかなか出会えない。
新装版 マンガ日本の歴史2-倭の五王と大和王権
マンガの良さをどう伝えるか。そんなアイデアを考える必要があって読んでみたのだけど、普通にハマってるw
パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法
面白かった。何か企画をたてる時に迷ったら読み返したくなりそう。アイデアや企画は何も特別なことじゃない。そのことがとてもわかりやすく説明されている。
編集視点を養うにはうってつけではないか。エッセンスの抽出がバランス取れていてすごくうまい。
女の園の星 1
じわじわくる。和山やま先生おもろいなぁ。『動物のお医者さん』の佐々木 倫子さんに通じるような、空気でじわる感じがとてもいい。
一発屋芸人列伝
編集部のイベントでご一緒した髭男爵の山田ルイ53世さんの本。言葉の選び方がうますぎる。一発屋のその後、そこには生身の人間がつまっている。勝手に人を消費して、生身であることを僕らは忘れてしまう。
人間の値打ち
編集部のイベントでご一緒した鎌田實先生の本を読んでみた。
自由であれ、かっこよくあれ、寛容であれ。そう言われている気がした。人の価値が薄っぺらになりつつある今、先輩からディスラプトせよ!と応援してもらった感。元気になる。
非・絶滅男女図鑑 男はホントに話を聞かないし、女も頑固に地図は読まない
編集部のイベントでご一緒した鈴木さんの本読んでみた。
思い当たる部分がありすぎて、なんか男でごめんなさい!って気持ちにw ずっとパン生地をコネコネしているような不思議な文体と、サービス精神みたいなものが混ざっている感じは鈴木さんのユニークなところだ。
サイボーグ時代 ~リアルとネットが融合する世界でやりたいことを実現する人生の戦略~
編集部のイベントでご一緒するオリィ研究所の吉藤オリィさんの本。ずっとテクノロジーにワクワクしてきた人間の端くれとして、クッソ面白かった。
ヒキコモリ漂流記 完全版
学生時代に通学途中で学校に行くのをやめていた。お金もないから、ヘトヘトになるまでずっと自転車をこいでいた。もしかしたらアレも引きこもりだったのかもしれない。
たくさんの生き方があって、たくさんの遠回りの仕方がある。山田さんの文章がどんどん上達していくのがわかる。
それでも、幸せになれる 「価値大転換時代」の乗りこえ方
鎌田さんの本にはいつも勇気がつまっている。結構なおじいさんなのに、学び考えようとしている。自分もそのように生きていきたい。
女がそんなことで喜ぶと思うなよ ~愚男愚女愛憎世間今昔絵巻
本質をえぐるように突いてくる。男に関係することは「スイマセン」という気持ちになり、女に関係することは「恐ろしい」って気持ちになるw
先日編集部で開催したイベントの最後、彼女はタフに生きろって言っていた。ちゃんと強くあろう、ちゃんと強くあれって人なんだな。そんな風に思った。
怪獣8号 1
編集部の若者に面白いと聞いて読んでみた。そんな展開!?ってびっくり。
で、面白いと言っていたソースが、友達の鳴海先生がやっているdonguri.fmだったので二度びっくりw
新装版 マンガ日本の歴史3-律令国家の成立
普通にハマっているw シンプルに聖徳太子ってすごい人なんだな、と。教科書で見るのとは違って、恐ろしく忙しそうなビジネスマンだ。
超人気ラーメン店「竃」成功の秘密
90年代後半あたりのラーメンブームを牽引していた竈、そのご主人が書いたラーメン屋さんを開業するためのノウハウ本。20年近く前の古本がAmazonで買えた。
竈はすごく奥まったところにあったのに、行列店だった。おいしいお店だったなぁ。ラーメン屋さんを開業するつもりはないけど、飲食店の大変さがすごくよくわかる内容。
コーヒーを飲みながら、なんとなく本を読む。そういえば昔は、そんな時間がたくさんあった。2021年はもう少しだけ贅沢に読書してまいりたい。