a group of people taking notes in a conference room

安芸高田の市長会見がなんかすごいなって話

広島県の安芸高田市は、改革派の市長と議会の多数派が対立している。市長が進めた無印良品計画の道の駅出店を、議会が「議会軽視」として反対しプロジェクトが流れた。安芸高田市が全国的に知られることになったのはそんな話だった。

あまりほめられた話でもないので付け加えておくと、安芸高田市は戦国武将の毛利元就の居城があった場所でもある。趣味的なところでさらに付け加えておくと、土師ダムというカッコいいダムがあり、八千代湖というダム湖が百選にも選ばれている。

つまるところ、自分にとっては縁もゆかりもない安芸高田市なのだが、YouTubeで改革派の市長の定例会見の模様が流れてきた。晩メシを食べながらなんとなく観ていたら、これが初手からすごかった。

市長が中国新聞の記事に誤認があるとして、事実関係をずっと問いただしている。本当に感情的になっているのか、怒ったふりをして中国新聞を挑発しているのかはわからないが、とにかく市長は記事が気に入らないというスタンスだ。

首長の定例会見というのは、市政について市長が自ら語る貴重の時間で、最近は動画でライブ配信などもあるので、地域の人が市長を身近に感じる時間だと思う。もちろん、市の定例なので税金で運用されているはずだ。

その貴重な時間を特定メディアの記事に対する事実関係の確認に充てた。安芸高田市政において、中国新聞をやりだまにあげることが非常に大事なのかもしれない。自分が住んでいる市町村だったら「なにやってんの?」と思うだろうが、縁もゆかりもない人としては、なかなか見られない珍しいものを観た感じがすごい。

さらにスゴイのは、この会見動画に対して市長への応援コメントがたくさんついている点だ。仮想敵をやり玉にあげて糾弾し、味方の結束を高める手法は、洋の東西を問わず、強権型のリーダーがよく採用する。やはり、この方法はワンマン型のリーダーシップには非常に有効なのだ。

仮想敵に目を向ければ、本質的な議論からは話をそらせる。仮想敵の存在によって、味方の結束が強固になる。縁もゆかりもない自分にとっては、税金を使って今ここでやることなのか? という疑問がわくが、コメントを見る限りそういう話はジャマになる。とりあえず、なんかすごいので観て欲しい。

ところで、この会見には他のメディアも数社はいたはずだ。市長と中国新聞とのやりとりをどんな気持ちで観戦していたのだろう。安芸高田市の定例会見にはこれからも期待してまいりたい。

メディアの編集長と事業責任者と、会社の広報を兼務している老害